コラム

No.13 ボルドーのユニクロ

 今年の9月に数年ぶりにボルドーを訪問した。私が留学していた15年前と比べると街は大きく様変わりした。2004年ごろから市内に新型トラムが敷設され、現在まで順次路線が延伸されている。

 今回の訪問で驚いたのは、ついにあのユニクロがボルドー市内中心部に出店したことである。私が訪問した日の数日前に開店したということで、市内にはラッピング広告を施したトラムが走り回り、多くの人々が赤いロゴの入った紙袋を下げて歩いていた。パリには何年か前に出店していたはずだが、ついにボルドーでもユニクロのものを手に入れられるようになったのかと感慨深く思った。私が留学していたころは、日本のものはだいたいパリに行かないと手に入らなかったものだが、今はラーメンもボルドーで食べられるようになるなど、かなり様相が変わってきている。 

 また、市内中心部にある大劇場の近くに、新たにショッピング・モールができており、さまざまなブランドのショップが軒を連ねていた。そのなかに「極度乾燥(しなさい)」で知られるイギリスの服飾ブランド「スーパー・ドライ」のショップもあり、現地の友人は日本のブランドだと思い込んでいたようだった。 

 今回の滞在ではデュルケームが住んでいた家も見に行ってみたが、その前のバス停にもユニクロの広告があった。グローバル化の波はすでにデュルケーム家のすぐ前まで来ている。

デュルケームが住んでいた家の前のユニクロ広告(2016年9月)