<日仏社会学国際シンポジウム中止のお知らせ>
新型コロナウイルスの感染拡大の状況に鑑み、また海外からのシンポジストの来日が取り止めとなったため、2020年3月9・10日(奈良)および3月20日(東京)に予定していました国際シンポジウムの今年度の開催は中止とさせていただきます。
参加を予定してくださっていた方々には、大変申し訳ありませんが、なにとぞご了承いただきますようお願い申し上げます。
【東京会場】日仏社会学国際シンポジウム
日時:2020年3月20日(金・祝)13:30~18:00
於:日仏会館601号室 東京都渋谷区恵比寿3-9-25 https://www.mfjtokyo.or.jp/
【ご注意】ご参加には、日仏会館ホームページ(下記)から参加の申込みが必要です
https://www.mfj.gr.jp/agenda/2020/03/20/2020-03-20_modernite_en_sociol/index_ja.php
【東京会場3/20 開催プログラム】
<<モダニティを問い直す:デュルケーム、ブルデュー、さらにその先へ>>
Repenser la modernité: Durkheim, Bourdieu et au-delà
(司会)白鳥義彦
1.趣旨説明 13:30~13:40
2.講演 conférence 13:40~15:40
■ジルダ・サルモン Gildas Salmon
http://lier.ehess.fr/index.php?956
(国立科学研究センターCNRS・社会科学高等研究院EHESS)
近代人および非=近代人における機械的連帯と有機的連帯:ブルデューと進化主義の危機
Solidarité mécanique et solidarité organique chez les modernes et les
non-modernes: Bourdieu et la crise de l’évolutionnisme
休憩 15:40~15:50
3.報告 interventions 15:50~16:50
■川本彩花 Kawamoto Ayaka (日本学術振興会特別研究員・滋賀大学)
趣味と階層:文化資本の日本的状況
Goût et stratification sociale: situation japonaise du capital culturel
■山田陽子 Yamada Yoko (広島国際学院大学)
感情資本と新しい労働:有機的連帯の現代的位相
Capital émotionnel et nouveau travail: phase moderne de la solidarité organique
休憩 16:50~17:00
4.コメント discussion 17:00~17:20
ジルダ・サルモン
5.全体討論 discussion générale 17:20~18:00
(主催)日本学術振興会「学術研究動向等に関する調査研究」、日仏社会学会、デュルケーム/デュルケーム学派研究会
(共催)日仏会館・フランス国立日本研究所、公益財団法人日仏会館
【各報告の要旨】
■近代人および非=近代人における機械的連帯と有機的連帯:ブルデューと進化主義の危機
Solidarité mécanique et solidarité organique chez les modernes et les
non-modernes: Bourdieu et la crise de l’évolutionnisme
ジルダ・サルモン Gildas Salmon (国立科学研究センターCNRS・社会科学高等研究院EHESS)
本報告では、第二次世界大戦以後、とりわけブルデューにおいて、フランス社会学における機械的連帯と有機的連帯という二項対立がどのようになったのかを検討していきます。人類学に対して1960年代に向けられた、進化主義に対する批判にもかかわらず、この二項対立がブルデューの社会学と人類学とを構造づけていたこと、さらには、この二つのタイプの連帯が、近代社会ならびに非=近代社会の分析において異なる仕方で連関していることを明らかにすることが課題となります。
Nous allons examiner ce que devient la dualité entre solidarité
mécanique et solidarité organique dans la sociologie française après
la seconde guerre mondiale, et en particulier chez Pierre Bourdieu. Il
s’agirait de montrer qu’en dépit de la critique de l’évolutionnisme
qui s’impose en anthropologie dans les années 1960, cette dualité
continue à structurer la sociologie et l’anthropologie
bourdieusiennes, mais aussi de montrer que les deux types de
solidarité s’articulent de manière différente dans l’analyse des
sociétés modernes et non-modernes.
■趣味と階層:文化資本の日本的状況
川本彩花(日本学術振興会特別研究員・滋賀大学)
本報告では、ブルデューの文化的再生産論、およびそれを引き継ぐかたちで展開されてきた「趣味・好み」に関する社会学的研究について取り上げます。そして、それらの諸研究をふまえて、現代日本における文化(趣味)と社会階層との関係、および文化資本の状況などについて論じます。さらには、近年の日本における、たとえば古典芸能やサブカルチャー、音楽などをめぐる具体的かつ特徴的な文化事例・現象についても提示してみたいと考えています。
■感情資本と新しい労働:社会的連帯の現代的位相
山田陽子(広島国際学院大学)
本報告では、E.デュルケームの社会的連帯について、E.イルーズの感情資本の観点から再考する。有機的連帯の社会では、個人がますます自律的になる一方で分業を通した凝集性が高まると考えられているが、現代日本の雇用情勢や労働のあり方を見ると、労働者間の分断や感情管理を通した人的資源管理が進行し、連帯が困難な状況が生じているようにも思われる。こうした中で、今、個人の人格や社会的連帯とは何を意味するのだろうか。現代社会における分業と労働、個人の人格と社会的連帯について検討したい。