国際シンポジウム「社会学とその周辺:人類学・哲学との関わり」&ラウンドテーブル開催(奈良)

Sociologie et ses alentours :  anthropologie et philosophie

日時:2023年2月27日(月)13:30~18:00
場所:奈良女子大学  文学系S棟 S235

(〒630-8506 奈良市北魚屋東町/近鉄奈良駅 1番出口から徒歩7~8分)

社会学と、人類学・哲学というその隣接領域との関わりを、デュルケーム、グラネ、レヴィ=ストロース、ベルクソンに着目して考究する。

言語:日本語・フランス語(講演については逐次通訳あり)/参加無料・申込み不要

司会 modératrice・横山寿世理 YOKOYAMA Suzeri(聖学院大学)
通訳 interprète・白鳥義彦 SHIRATORI Yoshihiko(神戸大学)

1.趣旨説明 présentation du colloque(13:30~13:40)
 小川伸彦 OGAWA Nobuhiko (奈良女子大学)

2.講演 conférence(13:40~15:40)
 ジルダ・サルモン Gildas SALMON(国立科学研究センターCNRS・社会科学高等研究院EHESS)
  神話の構造分析の誕生:デュルケーム、グラネ、レヴィ=ストロース  
  Naissance de l’analyse structurale des mythes: Durkheim, Granet, Lévi-Strauss

(休憩 15 :40~15 :50)

3.報告 intervention(16:00~17 :00) 
 笠木丈 KASAGI Jo (甲南大学) 
 ベルクソンにおける有機体としての社会:デュルケームの受容をめぐって
 La société organique chez Bergson : autour de la réception bergsonienne de Durkheim
(休憩 17 :00~17 :10)

4.コメント discussion(17:10~17:25)
 ジルダ・サルモン Gildas SALMON

5.全体討論 discussion générale(17:25~18 :00)

ラウンドテーブル:ジルダ・サルモン氏を囲んで

Table ronde : autour de M. Gildas SALMON

日時:2023年2月28日(火)10:30〜12:30
場所:奈良女子大学 文学系N棟339教室

サルモン氏を囲み、話題提供をいただくとともに、フランスや日本の社会学事情・社会事情などについて自由に歓談します。

言語:日本語・フランス語(逐次通訳あり)、参加無料、申込み不要

主催:科学研究費補助金・基盤研究(B)「『集合意識』から『情動の社会学』へ──デュルケーム社会学の現代的展開」(22H00904)、日仏社会学会、デュルケーム/デュルケーム学派研究会
共催:奈良女子大学社会学研究会、神戸大学社会学研究会
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国際シンポジウム「モダニティを問い直す:デュルケーム、ブルデュー、さらにその先へ」開催(東京)

Repenser la modernité : Durkheim, Bourdieu et au-delà

近代社会の到来とともに成立した社会学は、常に「近代」を研究の土台に見据えてきた。社会学から人類学へという流れの中で、「近代」が相対化される一方、「ポストモダン」をめぐる議論では、現在はもはや「近代社会」ではないのではないかという問いも示される。デュルケーム、ブルデューというフランス社会学の伝統を踏まえつつ、さらに今日の日本の状況をも視野に入れて、モダニティについてあらためて問い直す。
日時:2023年3月10日(金)13:30~18:00
場所:日仏会館ホール(東京都渋谷区/最寄駅 JR・東京メトロ 恵比寿)

言語:日本語・フランス語(同時通訳あり)

司会 modérateur・白鳥義彦 SHIRATORI Yoshihiko(神戸大学)

1.趣旨説明 présentation du colloque(13:30~13:40)

 小川伸彦 OGAWA Nobuhiko(奈良女子大学)

2.講演 conférence(13:40~15:40)

 ジルダ・サルモン Gildas SALMON(国立科学研究センターCNRS・社会科学高等研究院EHESS)

  近代人および非=近代人における機械的連帯と有機的連帯:ブルデューと進化主義の危機 

  Solidarité mécanique et solidarité organique chez les modernes et les non-modernes: Bourdieu et la crise de l’évolutionnisme

(休憩 15 :40~15 :50)

3.報告 interventions(15:50~16 :50)

 川本彩花 KAWAMOTO Ayaka (日本学術振興会特別研究員・滋賀大学)

  趣味と階層:文化資本の日本的状況

   Goût et stratification sociale: situation japonaise du capital culturel

 山田陽子 YAMADA Yoko (大阪大学)

  「感情資本主義」の社会学史上の意義

  Signification du « capitalisme émotionnel » dans l’histoire de la sociologie

4.コメント discussion(16:50~17:10) ジルダ・サルモン Gildas SALMON

5.全体討論 discussion générale(17:10~18 :00)

日仏会館・フランス国立日本研究所Web siteより参加申込みをお願いします。

主催:科学研究費補助金・基盤研究(B)「『集合意識』から『情動の社会学』へ──デュルケーム社会学の現代的展開」(22H00904) 、日仏社会学会、デュルケーム/デュルケーム学派研究会
共催:日仏会館・フランス国立日本研究所、協力:公益財団法人日仏会館
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No.73 2022年9月のフランス滞在にて

 2022年9月、日仏会館研究助成研究協力者として、レンヌとパリへ調査に赴いた。4年振りのフランス滞在であった。すっかりマスク生活が板につき、人と接しない生活に慣れ、長距離移動なんてもってのほかという日常を過ごしていた私は、「空港に行く」という行為から大変な緊張感であった。コロナ禍を経て、フランスはどのように変わってしまったのだろうか、不安であった。

 シャルル・ド・ゴール空港に到着し、モンパルナス駅からTGVでレンヌへ移動する道すがら、4年前には存在しなかった、マスク等不衛生なもの専用のゴミ箱、ソーシャルディスタンスや感染防止を促すサインと看板などを目にした。「フランスにはもうマスクをしている人はいない」と、ニュースなどで耳にしていたとおり、街中でマスクを着用している人を見かけることはほとんどなく、日常の光景が広がっていた。街も人も4年前と何も変わっていなかった。しかし、パリでもレンヌでも、メトロの中では老若男女問わずマスクを着用している人を見かけることも多く、私自身マスクを着用していても特に変な目で見られることもなかった。マスクをしようがしまいが「自由」であった。

 レンヌにて学生にインタビュー調査を行った際もその「自由」を感じる場面があった。インタビューに応じる際、マスクを着用している学生もいれば、着用していない(そもそもマスクを持っていない)学生もいたし、こちらにマスクをしてもしなくても良いと一声かけてくれる学生もいた。たかがマスクであるが、自由に選択できる感覚がとても心地よく、感動を覚えた。

 日本においては、マスク一つを取っても「世間の目」がついて回る。マスクを着用する理由に、「みんながつけているから」といった根拠のない理由が入り込む。日常生活において、相互に監視し合う空気が蔓延しているように感じ、窮屈であった。今回のフランス滞在において感じた「自由」は、「世間の目」などといった、はっきりとした基準をもたない雰囲気や空気ではない。自分もしくは相手のバックグラウンドや意思の尊重のみを考えて「選択」できたことで感じた「自由」なのではないだろうかと考えを巡らせる。

 学生の体験談や考え、コロナ禍当時の想いを直接聴くことができたのはもちろん、コロナ禍を経た日常を送るフランス人の姿をこの目で見、日本との違いを感じられたことは大変貴重な経験となった。

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